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無​色​で​透​明​な​私​た​ち​は​互​い​に​融​合​し​な​が​ら​も​、​他​方​で​消​え​な​い​血​液​と​己​の​半​身​を​希​求​す​る​。​だ​か​ら​こ​そ​、​私​は​互​い​を​解​体​さ​せ​ら​れ​る​ほ​ど​の​、​血​液​た​ち​の​接​触​と​消​失​を​望​ん​で​い​る​。

from 思​考​実​装 by ukiyojingu

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about

私は身体の数学化(→実装#2)を恐れ、自身の唯一性を証明してくれると信じていたものが電波に侵食されることに危機感を持ちながらも、それでも作ったものを電波へ流し、顔も知らないはずのあなたへ送信を試みる。どれだけ慎重に送信したところで、送信した私の言葉がその伝達過程で無数もの意味の組みかわりによって、最終的には全く異なったものとして伝達されてしまうのならば(→実装#7)、私たちの唯一無二の「血液」たるものを証明はできるのだろうか。私が抱きしめ続けている半身(→実装#6)は私たちが情報空間上のゾンビにならないために必要なものだ。だが、その半身をもって私自身の唯一性、半身に未だ流れている血液のようなものを世界に発信しても、それは相手に伝達される(解釈される)時点で、唯一性は失われているのではないだろうか?

私たちの唯一無二の血液が本当の意味で唯一無二なのだとしたら、それは誰とも共通していないという点において孤独な存在だ。だが、そんな孤独さに価値を見いだし、追求していたら、恐らく私は電波に音楽を流していなかっただろう。なぜなら、孤独と集合は真逆に思えるからだ。私は自分の唯一無二の血液、電波上で未だ捧げていない己の半身を抱きしめるとともに、電波に流したもう半身を、情報空間に投げる。そうやって、電波のなかに集まる多くの匿名たち、多くのデータとともに、どこまで行けるかを見てみたい。集合化したい半身と、消去しきれない半身を抱え、私は生活を送る。

lyrics

透明になることを望んでいる。
誰しもが名前を消し、まるで瓦礫になって意味から逃げようとして、
そして失敗する。
一つになれない私たちは揃ってそれを否定し、
名前と意味に縋りつくのだから。
そうやって、別れを告げよう。
私たちが失うものへ、わずかながらに、愛をこめて。

色が消えてしまうことを望んでいる。
私たちは元々、電波の中で無色透明な自身を、ずっと抱きしめてきた。
血液に色はなく、自身が何者であるかを示すこともなく、
ずっと生きてきた。
半身から汚染が始まることも、秩序もなく、
そこにただ「私たち」が自然発生していたのだった。

名前から逃れることを望んでいる。
自由になれない時代で、どこまで行っても私たちは透明でないことが
証明されてしまった。
電波に曝され続けた半身は、私の意識を少しずつ解体し改善するような
プログラムに侵食されている。
その中で、私たちを解体して再構成しない選択肢はあるのだろうか。

情報空間上の私たちは、かつて生まれながらに透明だった。
誰もが名前を放棄して、自然発生する透明な集合体に身を任せていた。
そうも生きられなくなった今では、誰しもが名前を抱きしめることを
強いられる。
この世界のなかで、透明な存在であることが何よりも
貴重なことになっていく。

だからこそ、私たちの誰もが透明を望む。
あらゆる感情がジャンル分けされるなか、そこから逃避できる自分自身を手に入れようとする。
そうして、私たちは「何者か」になりたがる。
自己を棄却する純粋に透明な身体から、自己を証明するための
透明な身体へと、私たちは移り変わるのだ。

私たちはみな、「何者」かになる私を愛している。
それは何者かにさせられることに対する、
何者かになるための私たちの方法だ。
だが、私たちの不可逆な現実だって無視できない。
いつの間にか捧げた半身から身体の数学化が進行し、最後に支配されてしまうことを恐れている。

だからこそ、真の意味で「何者」にもならない方法を探すのだ。
無色で透明な、名前が必要とされない選択肢を探すのだ。
名前を得るためではなく、解体された私たちが等しく世界から
消え去るために。
無意味で不愉快に切り取られた断片から集まり、引き裂かれた私の半身と、心中するために。

疑心と違和感で構成された、私の合成音声音楽は語りかける。
私の疲れた日々を記録するため。
私の無意味を垂れ流すため。
それが集まり、一つになって消え去る選択肢を探すため。
そうやって、どこまでも一緒に行こう。
私たちが透明だって、愛せるように。

credits

from 思​考​実​装, released December 30, 2022

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