We’ve updated our Terms of Use to reflect our new entity name and address. You can review the changes here.
We’ve updated our Terms of Use. You can review the changes here.

私​た​ち​の​言​葉​は​い​つ​し​か​限​界​を​迎​え​る​。​そ​れ​を​受​け​い​れ​て​も​な​お​、​浮​動​小​数​点​に​重​な​る​呼​吸​が​い​つ​か​痙​攣​を​終​わ​ら​せ​、​流​れ​る​血​液​に​固​有​名​詞​を​授​け​て​く​れ​る​と​な​ぜ​信​じ​ら​れ​る​の​か​。

from 思​考​実​装 by ukiyojingu

/

about

私たちの固有性を言葉で表現しようとすると、そこ必ず限界が生じてくる。言葉はより複雑になっていき、もはや自分でも何を考えているのかが分からなくなってしまう。或いは、どのような言葉も最終的にはそれさえジャンル分けされてしまい、そこから逸脱する行為さえもまた、ジャンル分けされてしまう。そうやって、私のあらゆる行動は固有性を持つことができない。思考することの限界を前に言葉が詰まる。そうして、私はまるで吃音のように、意味のないような言葉を繰り返すのだ 。

「呼吸が聞こえる」。
この言葉さえ私の反復であり、人工音声によって反復されるそれは言葉の息使いを感じさせない。その上に重なる、私の呼吸は一体何を意味するのだろうか。これが私の固有性を証明できるのだろうか。だがそれを証明する手段を言葉にゆだねては、同じ構造を反復してしまうのではないだろうか。これが私の固有性を授けてくれると、なぜわかるのだろうか。(ニコニコ動画の投稿者コメントより)

lyrics

呼吸が聞こえる。
それは私に固有名詞を与えてくれている。
痙攣した私の言葉は、行き先を失いながらも彷徨い続ける。
そこに、言葉といえるものは恐らくもう存在しない。
私は、私の耳に聞こえくる、私の呼吸に縋るのだ。

呼吸が聞こえる。
それは私の唯一無二のものであると信じている。
私は考えることなくそれを繰り返している。
それは無意識である。
それは私によってなされるが、私の意図するものでない。
そこに、私は内在しない。

呼吸が聞こえる。
そこに私の意図は介在されない。
身体器官によって制御されているだけに過ぎない。
それは制止されることはない。
制止できない。
私は私によってなされるそれを、ただ横で立ち尽くして見ているだけだ。

呼吸が聞こえる。
私は、どこかで言葉を捨てないといけないのだろうか。
言葉に固執し続けることによって、過剰に意図を考えることによって、私は何もできなくなりつつある。
そうして、言葉が無くなっていく。
最後には、呼吸だけが残る。

呼吸が聞こえる。
それはもはや私の思考した果てに残る、何もなさを証明しているようである。
使い切られた言葉を売って、痙攣する身体に再度、血液を与える。
そうして、私は行き場を求めて、
どこまででも彷徨い続けることができるだろう。

呼吸が聞こえる。
この無意味な反復は、それこそ私の美学であると、
本当にいえるのだろうか。
言葉は混乱を極めている。だからすべてに限界があり、
本質は無意味なものとなる。
この限界の向こう側へ、呼吸は誘導してくれるのだろうか。

呼吸が聞こえる。
私の意図を介さず、全く持って無意味にそれは継続される。
誰によって指示されることなく、誰によって支持されることなく。
意味なきそれは、私の身体に再度血液を循環させる。
そうして、あたかも意味を持つようにふるまうのだ。

呼吸が聞こえる。
最後には、呼吸しか残らないのだろうか。
それは崇拝されるべき、私の唯一性なのだろうか。
だとすると、もはや崇拝しかないのだろうか。
それでもなお、言葉に意味はあるのだろうか。

呼吸が聞こえる。
不可逆的に、私に無意味を告げている。
私のものであるそれは、私のものでもなく、
そして私は拒絶することもできず、縋りつくのだ。
それ以外はきっと許されていない。
この固有名詞の強制によって、私は意味を持てるのだ。

credits

from 思​考​実​装, released December 30, 2022

license

tags

about

ukiyojingu Japan

contact / help

Contact ukiyojingu

Streaming and
Download help

Redeem code

Report this track or account

If you like ukiyojingu, you may also like: